2本の柱のあいだに座り、ものごとの重さをはかる女性。大アルカナの「正義」は、好き嫌いをいったん横に置いて、目の前の事実を天秤にのせるカードです。正位置は「公平・バランス・冷静な判断」、逆位置は「偏り・不公平・決められない」がキーワードになります。
恋の占いでこのカードがたずねるのは、「どちらが正しいか」より「ふたりの釣り合いがとれているか」です。

正義の基本の意味
ひとことで言うと、「感情と事実を分けて、釣り合いをとる」カードです。
| 正位置 | 逆位置 | |
|---|---|---|
| 基本のキーワード | 公平・バランス・冷静な判断 | 偏り・不公平・決められない |
| 恋愛 | 対等な関係、冷静に向き合う | どちらかに偏る、損得で考えてしまう |
| 彼の気持ち | 冷静に、対等に向き合いたい | 損得や、周りの目を気にしている |
| 復縁 | 対等に向き合い、冷静に話せる | どちらかに偏った関係のまま |
| 最終結果 | 対等な関係に落ち着きやすい | どちらかに偏った関係になりやすい |
| イエスノーの目安 | 今は待つ・保留(正位置の場合) | |
8番?11番? 番号がデッキで違う理由
ここではライダー版(ウェイト版)の並びで、正義を11番としています。マルセイユ版などでは8番が正義・11番が力と入れ替わります。どちらが正しいというものではないので、使っているデッキの番号に合わせてください。
入れ替えたのは、ライダー版の解説を書いた A. E. Waite 本人です。力の節に「ふつうは8番の正義と、このカードを入れ替えた」とあり、理由は自分が納得しているからで、読む人にとって意味が変わるものではない、と短く書かれています。
11番に置くと、正義は10番の運命の輪と12番の吊るされた男のあいだに入ります。回る流れの中で起きたことをはかり直し、「見方を変える」段階へ渡す位置、と読むこともできます。22枚の並びは大アルカナ一覧で番号順に確かめられます。
2本の柱・天秤と剣・女神アストライア
Waite の文章を収めた本では、正義は伝統的な図像をそのまま受けついだカードなので、付け加えることはほとんどない、と前置きされています。そのうえで目を向けているのが、2本の柱のあいだに座っているという点です。女教皇と同じ座り方ですが、「正義の柱はひとつの世界へ、女教皇の柱は別の世界へと開いている」と書き分けられています。
正義が扱うのは、人それぞれの行いに応じて報いるという「道徳の原則」だ、とも説明されています。行動と結果を結びつけるカードです。
天秤と剣は、正義を表す昔からの図像として一般に知られています。天秤は重さを比べること、剣は比べたあとで決めて切り分けることを表す、と読むのが一般的です。同じ本でも、剣を抜いて裁きの座にいるソードのキングについて、大アルカナの正義の象徴を思わせる、と書かれています。本の前半では、この女性の姿は正義を表す女神アストライアだと言われている、とも紹介されています。
古い解説書での意味
同じ本の「占いでの意味」の節では、正位置に「公平・正しさ・誠実さ・実行する力」などが並びます。逆位置は「偏見・偏り・厳しすぎること」などで、裁判や法律まわりの言葉も入っています。今は正位置を「公平・バランス」、逆位置を「偏り・決められない」と読むのが一般的で、上の早見表もその読み方です。
女教皇・節制との違い
柱のあいだに座る姿が同じ女教皇は、まだ表に出ていない気持ちや直感を読むカード。正義は、すでに起きた出来事や言動を、見える範囲で公平にはかるカードです。心の奥を感じとる女教皇、表に出た事実を並べる正義、と分けられます。
「バランス」という言葉が重なる節制とも比べられます。節制は2つのものを混ぜ合わせて、ちょうどいい具合に調えるカード。正義は2つを比べて、どちらにどれだけ重みがあるかを見きわめるカードです。
正位置の意味:公平・バランス・冷静な判断
ひとことで言うと、「落ち着いて、筋の通るほうを選べる」サインです。
正位置の正義は、気持ちの波に流されず、材料をそろえてから判断できている状態を表します。
- 恋愛:対等な関係、冷静に向き合う。お互いを尊重し合える恋
- 仕事:公正な評価を受けやすい。契約や手続きをきちんと進める時期
- 人間関係:お互いに対等で、筋の通ったつき合い
まいた種がそのまま実る、というのが正義の正位置らしい流れです。
逆位置の意味:偏り・不公平・決められない
ひとことで言うと、「どちらかに傾いていないか、確かめよう」のサインです。
天秤の片方にばかり重りがのった状態、あるいは両方の皿が揺れつづけて決められない状態。逆さの正義は、そんな姿として読まれます。
- 恋愛:どちらかに偏る、損得で考えてしまう。片方だけが我慢しやすい
- 仕事:評価に不満を感じやすい。判断を先のばしにしやすい
- 人間関係:どちらかが我慢する、偏った関係になりやすい
古い本の逆位置にある「厳しすぎること」も、ルールを当てはめすぎていないかを見直すヒントになります。逆さに出たカードを受けとめるコツは、逆位置の読み方のページにまとめています。

恋愛で正義が出たとき(片思い・復縁・付き合っている)
ひとことで言うと、「対等でいられるかどうか」がテーマのカードです。
| 悩み | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 片思い | 相手を冷静に見られる時期。背伸びせず、自然体で接する | 相手の条件や周りの評価に気持ちが揺れやすい。自分の気持ちを確かめる |
| 復縁 | 対等に向き合い、冷静に話せる。お互いの言い分を落ち着いて聞く | どちらかに偏った関係のまま。同じ形に戻る前に、何が偏っていたかを整理する |
| 付き合っている | お互いを尊重し合える関係。役割や約束を話し合って決めやすい | どちらかの負担が大きくなりやすい。小さな不公平を言葉にして伝える |
片思いで正義が出たら、相手を理想で飾らずに、実際のやりとりを思い返してみてください。ふだんの自分のままで接するほうが、このカードの流れに合っています。
復縁では、「どちらが悪かったか」の判決を出すカードではない、という点が大切です。別れの前に何がどちらに偏っていたのかを、責めずに書き出してみる。その整理が、再び話すときの落ち着きにつながると読まれます。
付き合っている相手となら、連絡の頻度など小さな役割分担を見直すきっかけに。
相手の気持ちの位置に正義が出たとき
ひとことで言うと、「冷静に、対等に向き合いたい」という気持ちとして読めるカードです。
| 読み方の目安 | |
|---|---|
| 正位置 | 冷静に、対等に向き合いたい。感情より、筋の通った関係を大事にしている |
| 逆位置 | 損得や、周りの目を気にしている。気持ちより状況を優先して迷っている |
彼の気持ちの位置に正位置の正義があるとき、それは熱が冷めたしるしとは読みません。あなたとのことを、勢いではなく筋道を立てて考えようとしている状態です。
逆位置は、自分の気持ちより、周りの評価や条件のほうが重くなって迷っている姿に近いと読まれます。相手の心を占うときの手順は相手の気持ちの占い方にあります。
レンのひとこと:男は大事なことほど、すぐに答えを出さずに持ち帰りたくなるものなんだ。正義が出た彼も、ちゃんと考えてから返したいと思っている、と読めます。
未来・アドバイス・最終結果の位置に正義が出たとき
ひとことで言うと、「釣り合いのとれた形に落ち着きやすい」という目安です。
| 位置 | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 未来 | お互いが納得できる形に、関係が整っていきやすい | どちらかの我慢が、少しずつ積み重なりやすい |
| アドバイス | 感情だけで決めず、事実と気持ちを分けて考える | 損得や周りの目より、自分がどうしたいかを確かめる |
| 最終結果 | 対等な関係に落ち着きやすい | どちらかに偏った関係になりやすい |
最終結果の位置の考え方はこちら。
恋愛と仕事での読み分け
仕事の占いで正義が出ると、評価・契約・手続きなど「決まりに沿って進むもの」と結びつけて読まれます。正位置なら、してきたことが見合った形で認められやすい。逆位置なら、評価への不満や先のばしに目を向ける時期です。
恋愛では、同じ正義でも「決まり」ではなく「ふたりの釣り合い」がテーマになります。どちらかが気持ちを多く注いでいないか、約束が片方だけのものになっていないか。仕事では外のルール、恋愛ではふたりのあいだのルールをはかる、と覚えておくと読み分けやすくなります。
正義が出たときに、自分に聞いてみたい3つの問い
- 今の迷いを、「起きた事実」と「わたしの気持ち」に分けて書き出せるだろうか
- この関係の天秤は、どちらの皿に傾いているだろう
- 相手に求めている公平さを、わたしは自分にも向けているだろうか
イエスノー占いと人物像
ひとことで言うと、正位置は「今は待つ・保留」、人物なら「公平で筋を通す人」です。
イエスノー占いで出たとき
正義の正位置は、今は待つ・保留の目安として読まれます。天秤が静止するまでには少し時間がかかるように、良い面と気がかりな面を並べて見比べてから決める段階です。逆さに出たときも、気持ちが片方に寄っているうちは結論を急がないほうがいい、という読み方になります。1枚で答えを見る占い方はワンオラクルのページで紹介しています。
人物像として出たとき
- 正位置:公平で、筋を通す人。感情より冷静さを大事にする人
- 逆位置:周りの評価や損得を気にしやすい人。決めるのに時間がかかる人

よくある質問
彼の気持ちに正義が出たら、冷めているということ?
冷めているという読み方は一般的ではありません。正位置は「冷静に、対等に向き合いたい」という気持ちです。感情を表に出さないぶん、関係のことを真剣に考えている状態として受けとめられます。
正義が出たら、白黒はっきりさせたほうがいい?
急いで白黒をつけることをすすめるカードではありません。まず事実を集めて、比べる。決めるのはそのあと、という順番を大事にするカードです。
イエスノーで正義が「保留」なのはなぜ?
正義は、答えそのものより「はかる手順」を表すカードだからです。材料がそろっていないうちに出た答えは、どちらかに偏りやすい。だからこのサイトでは、正位置でも「今は待つ・保留」の目安にしています。
情報源
- L. W. De Laurence『The Illustrated Key to the Tarot: The Veil of Divination』(1918年。ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説をそのまま収めた版。Project Gutenberg 収録、第1部 Section 2「Class I. The Trumps Major, Otherwise Greater Arcana」、第2部 Section 2「The Trumps Major and their Inner Symbolism」、第3部 Section 3「The Greater Arcana and their Divinatory Meanings」)https://www.gutenberg.org/ebooks/43548(2026年9月30日に閲覧)
※この記事のカードの意味は、上の資料に載っている伝統的な意味と、現在タロットで一般に使われている解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
