AとB、どちらにしよう。頭の中で何度くらべても決まらないとき、タロットの二者択一スプレッドは、2つの道を机の上に並べて見せてくれます。
ただし、カードが代わりに決めてくれるわけではありません。二者択一スプレッドは、それぞれの道を選んだときの流れの目安を見くらべて、「わたしは何を大事にしたいのか」に気づくための道具です。

二者択一スプレッドとは
ひとことで言うと、1枚の「今のわたし」を土台に、AとBの2本の枝を左右に伸ばして見くらべる並べ方です。
二者択一(にしゃたくいつ)は、2つのうちから1つを選ぶこと。タロットでは「二択スプレッド」「選択のスプレッド」とも呼ばれます。
ほかのスプレッドとのちがいは、カードがAの列とBの列に分かれていることです。同じ位置の意味を左右に1つずつ持っているので、「Aの近い未来」と「Bの近い未来」を、そのまま横に並べて比べられます。
| 知りたいこと | 向いている占い方 |
|---|---|
| AかBか、選んだ先の流れを見くらべたい | 二者択一スプレッド(5枚など) |
| 1つのことを「する・しない」で知りたい | 1枚で読むYES・NO占い |
| AかBかを、手早く2枚だけで見たい | 2枚引きのツーオラクル |
| 3つ以上の選択肢がある | 選択肢ごとに1枚ずつ引き、別の日に深掘りする |
引く前に気をつけたいのは、AとBの「大きさ」をそろえることです。「A=転職する」「B=今の仕事で資格の勉強を始める」のように、片方が人生の大きな決断で、片方が小さな行動だと、カードをくらべても意味がかみ合いません。どちらも「この3か月で何をするか」のように、期間と大きさをそろえた書き方にすると、左右の列を見くらべやすくなります。
並べ方:よく紹介される5枚型
ひとことで言うと、下の中央に1枚、その左上と右上に2枚ずつ、Y字のように並べます。
二者択一にはいくつかの型がありますが、いちばんよく紹介されるのは5枚型です。置く場所は次のとおりです(数字は置く順番)。
| Aの列(左) | 中央 | Bの列(右) |
|---|---|---|
| 4 | 5 | |
| 2 | 3 | |
| 1 |
- AとBを紙に書く:「A=今の部署に残る、B=異動の希望を出す」のように、どちらも具体的に
- 左をA、右をBと決める:引いたあとで入れかえない
- カードを裏にして混ぜ、山にまとめる
- 1枚目を手前の中央に置く
- 2枚目をAの列、3枚目をBの列に置き、4枚目をAの列の上、5枚目をBの列の上に置く
本によっては、Aの列に2・4、Bの列に3・5ではなく、Aに2・3、Bに4・5と続けて置く型もあります。どちらを使うかを先に決めておけば、どちらでもかまいません。
もっと細かく見たいときは、5枚型の一番上の中央に「どちらを選ぶにしても大事なこと(アドバイス)」の1枚を足した、6〜7枚の型が使われることもあります。
位置の意味
ひとことで言うと、1が今のわたし、2と3がそれぞれの近い未来、4と5がそれぞれの先の目安です。
| 位置 | 意味(一例) | 読むときのポイント |
|---|---|---|
| 1(手前の中央) | 今のあなたの状態・この選択への気持ち | 迷っている理由のヒント。ここを先に読む |
| 2(Aの列・下) | Aを選んだときの近い未来 | 選んですぐに起きやすいこと |
| 3(Bの列・下) | Bを選んだときの近い未来 | 2と横に並べてくらべる |
| 4(Aの列・上) | Aを選んだ先の目安 | 少し時間がたったときの流れ |
| 5(Bの列・上) | Bを選んだ先の目安 | 4と横に並べてくらべる |
1のカードは、どちらの道にも属さない、あなた自身の位置です。ここに「迷い」や「不安」を表すカードが出たときは、選択肢の良し悪しより、今の自分の疲れや焦りが決めにくさの正体になっている、とも読めます。
読み方の手順
ひとことで言うと、「1→下の段の横くらべ→上の段の横くらべ→自分への質問」の4段階で読みます。
- 1枚目で、今の自分を確かめる:落ち着いているか、焦っているか
- 2と3を横に並べてくらべる:選んですぐの変化は、どちらが自分に合っていそうか
- 4と5を横に並べてくらべる:少し先の流れは、どちらが穏やかか、どちらが動きがあるか
- A・Bそれぞれを縦に読む:2→4、3→5で、その道の「始まりと、その先」を一文にする
- 「わたしはどちらの流れを望んでいる?」と自分に聞く:カードの明るさより、自分の心がどちらに反応したかを大事にする
これは読み方の練習のための例です。A=今の部署に残る、B=異動の希望を出す、という質問で、2にペンタクルの8(正位置:努力・コツコツ)、4にペンタクルの4(逆位置:執着・ケチ)、3にワンドの8(逆位置:遅れ・行き違い)、5にワンドの3(正位置:発展・先の見通し)が出たとします。Aは「しばらくは積み上げが続くが、先ではこだわりすぎに注意」、Bは「すぐには話が進みにくいが、先には視野が広がる流れ」と読めます。どちらがいいかは、あなたが「安定」と「広がり」のどちらを大事にしたいかで変わります。
読み終わったら、AとBそれぞれの一文をノートに書き、1〜2日おいてから読み返してみるのもおすすめです。引いた直後は気持ちが高ぶっていても、時間をおくと「やっぱりこっちの文のほうがしっくりくる」と、自分の本音が見えやすくなります。
3枚だけで手早くAとBをくらべたいときは、スリーカードの「AかBか」の並べ方も使えます。2枚だけで見くらべるツーオラクルと合わせて、質問の大きさで使い分けてください。
「どちらも悪い」カードが出たとき
ひとことで言うと、「どちらを選んでもだめ」という意味ではなく、今の2択のままでは決めにくい時期、と読める目安です。
AにもBにも重たいカードが並ぶと、不安になりますよね。でも、こわがる必要はありません。次のように受け止め直してみてください。
| 出方 | 読み方の目安 | 次にできること |
|---|---|---|
| AもBも逆位置が多い | 今は決めるタイミングではない | 期限を少し延ばせないか考える |
| AもBもソードが多い | 考えすぎて、頭が疲れている | 一度紙に書き出して、休んでから見る |
| 1の位置が重たい | 選択肢より、自分の状態が決めにくさの元 | 体と気持ちを整えることを先にする |
| AもBも「保留」を表すカード | 第3の選択肢や、別の条件がありそう | 「AとBのあいだ」や「両方を少しずつ」を考える |
二者択一は、2つの中から選ぶ前提で占います。でも実際には、「どちらでもない道」「今は選ばない」という答えもあります。どちらも悪く見えるときは、カードが「その2つ以外も見てごらん」と言っているとも読めます。
反対に、片方の列だけがはっきり明るいこともあります。その場合も、明るい側を「正解」と決めてしまう前に、1の今の自分のカードとつなげて読んでみてください。「今のわたしがその道を選ぶと、こういう流れになりやすい」という目安であって、もう片方の道が閉ざされたわけではありません。明るい側を選ぶとしても、暗く見えた側のカードは「そちらを選ばなかったときに、心に残りやすいこと」として、メモしておくと役に立ちます。
レンのひとこと:AとBのどちらのカードを見て、少しほっとしたか。その小さな反応こそ、あなたがもう心のどこかで選んでいる答えのヒントだと読めます。
恋愛で使うときの注意
ひとことで言うと、恋愛では「自分がどう動くか」の二択に使い、二人の人を天秤にかける使い方はしないのが目安です。
恋愛の二択で使いやすいのは、あなたの行動を選ぶ質問です。
- 「今月、自分から告白する(A)/もう少し友だちとして仲を深める(B)」
- 「気持ちを手紙で伝える(A)/会ったときに直接伝える(B)」
- 「復縁に向けて連絡する(A)/しばらく自分の時間を大切にする(B)」
告白のタイミングに悩んでいる場合は、告白をタロットで占う方法も参考になります。
一方で、あなたにも相手にも恋人がいない状態で、気になる二人のあいだで迷っている、という場合もあるでしょう。そのときも、「どちらと付き合えるか」ではなく、「Aさんといるときのわたし」「Bさんといるときのわたし」として、自分の気持ちを見くらべる使い方にとどめてください。恋人やパートナーがいる人を選択肢に入れたり、今の恋人と別の人を並べてくらべたりする相談には、このスプレッドを使いません。誰かを傷つける方向の選択を、カードで後押しすることはできないからです。
また、相手の気持ちが分からないまま「AさんとBさん、どちらがわたしを好き?」と占うと、答えがどちらに出ても、自分の気持ちが置き去りになりがちです。まずは「わたしはどちらといるとき、自然体でいられる?」という問いから始めるのがおすすめです。
よくある質問
二者択一とYES・NO占いは、どうちがう?
YES・NO占いは、1つのことを「する・しない」で見ます。二者択一は、2つの選択肢それぞれの流れを並べて見くらべます。「する・しない」だけ知りたいなら、タロットのYES・NO早見表のほうが手早く読めます。
仕事の二択にも使える?
使えます。部署や働き方の選択、習いごとを始めるかどうかなど、仕事や暮らしの選択にも向いています。ただし、お金がからむ大きな決定は、カードではなく具体的な条件や、信頼できる人との相談で決めてください。
AもBも、どちらも明るいカードだったら?
どちらを選んでも前向きに進みやすい、という目安として読めます。その場合は、カードの細かいちがい(すぐに動きが出るか、ゆっくり育つか)に注目し、今の自分の生活に合うほうを選ぶ手がかりにしてください。
AとBで、同じカードが出たらどう読む?
同じ山から引くので、同じカードが2枚出ることは基本的にありません。似た意味のカードが並んだときは、「どちらを選んでも、同じテーマに向き合うことになる」と読めます。
結果に納得できないときは、引き直してもいい?
同じ日に引き直すと、欲しい答えが出るまで続けてしまいがちです。気持ちが落ち着いてから、日を改めて占うか、自分でタロットを占うときのコツを見直してみてください。
※スプレッドの並べ方・カードの読み方は、タロットで一般に使われている方法と解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
