祭壇の上の大きな姿と、その前に立つ男女2人。タロットの大アルカナ15番「悪魔」は、「分かっているのに、やめられない」気持ちを映すカードです。正位置のキーワードは「誘惑・執着・離れられない」、逆位置は「解放・断ち切る・目が覚める」。
名前は強烈ですが、外から災いを運んでくるカードではありません。自分の中にある「手放しにくいもの」に光を当てて、どう付き合うかを考えさせてくれるカードとして読まれます。

悪魔の基本の意味
ひとことで言うと、「自分で自分をしばっているものに気づく」カードです。
| 正位置 | 逆位置 | |
|---|---|---|
| 基本のキーワード | 誘惑・執着・離れられない | 解放・断ち切る・目が覚める |
| 恋愛 | 強く惹かれて離れられない、執着 | 執着から離れる、気持ちが軽くなる |
| 彼の気持ち | 強く惹かれている、離れられない | 執着から離れようとしている |
| 復縁 | 強く惹かれて離れられない気持ち | 執着から離れて、気持ちが軽くなる |
| 最終結果 | 離れがたい、強い結びつきが続きやすい | 執着から離れて、気持ちが軽くなりやすい |
| イエスノーの目安 | NO寄り・見直し(正位置の場合) | |
悪いことが起きるという意味ではなく、今のやり方を見直すヒントとして読まれます。
15という番号:節制のバランスがくずれたとき
14番の節制は、2つの器のあいだで水を注ぎ分け、ほどよさを保つカードでした。15番の悪魔は、その「ほどよさ」が片方にかたむいた状態、と読まれます。好きなもの、楽なもの、安心できるものに、少し寄りかかりすぎている。次の16番・塔で、その寄りかかりがほどけていきます。
1と5を足すと6。6番の恋人にも男女2人が描かれていることから、恋人と悪魔を「対のカード」として読む人もいます。
絵柄の読み解き:上げた右手・下向きのたいまつ・2人の人物
Waite の解説を収めた本では、ライダー版の悪魔は、角のある姿がこうもりのような翼をもち、祭壇の上に立っていると説明されています。
- 上げた右手:5番の教皇が与える祝福と、ちょうど逆の形だと書かれています。正しい導きの「裏返し」として、つい頼ってしまう甘い言葉や習慣を表す、と読まれることがあります。
- 地面に向けたたいまつ:左手の大きなたいまつは、下の地面に向けて持たれていると説明されています。本来は道を照らす火が、足もとの欲のほうへ向いている姿として読まれます。
- 2人の人物:祭壇の前の男女には尻尾があり、動物的な面を表す一方、顔には人らしい知性があると書かれています。そして「上に立つ者が、いつまでも2人の主人でいるわけではない」とも。上の者自身もまた、しばられた存在だと説明されています。
ここに、このカードのやさしい面があります。しばりは永遠ではなく、知性のある人は自分で気づいて外に出られる、という読み方です。
古い解説書での意味
占いの節では、悪魔は今よりも厳しい言葉で書かれています。ただ、その中に「定められたものではあるが、だからといって悪いものではない」という一文があるのが特徴です。今は正位置を「誘惑・執着」、逆位置を「解放」と読むのが一般的です。
恋人のカードとの違い
強く惹かれ合うふたり、という点で、6番の恋人と取りちがえやすいカードです。恋人は、向かい合って自分の意思で選んだ関係。悪魔は、離れたほうがいいと感じても離れにくい関係です。そばにいて「心が広がるか、せまくなるか」で見分けると読みやすくなります。
正位置の意味:誘惑・執着・離れられない
ひとことで言うと、「やめられないものの正体を見る」サインです。
- 恋愛:強く惹かれて離れられない、執着。相手のことが頭から離れない
- 仕事:ひとつのことにのめり込みやすい。働き方を見直すきっかけ
- 人間関係:離れにくい、しがらみのある関係。相手に合わせすぎてしまう
正位置の悪魔は、楽しさや安心と引きかえに、自分の自由を少しずつ手放している状態として読まれます。夢中になれるものがあるのは悪いことではありません。大事なのは、それを自分で選べているかどうかです。
逆位置の意味:解放・断ち切る・目が覚める
ひとことで言うと、「ほどけかけた結び目に、自分で気づく」サインです。
- 恋愛:執着から離れる、気持ちが軽くなる。冷静に関係を見られる
- 仕事:惰性で続けていたことを見直せる。新しいやり方に切り替えやすい
- 人間関係:無理につき合っていた関係から、ほどよく距離を置ける
悪魔は、逆さになると前向きな意味で読むのが一般的なカードです。ただし急に全部を断ち切るより、少しずつ距離を変えるほうが続きやすいと読まれます。逆位置という向きの読み方についてはこちらでも説明しています。

恋愛で悪魔が出たとき(片思い・復縁・付き合っている)
ひとことで言うと、「好き」と「こだわり」を分けて見るカードです。
| 悩み | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 片思い | 相手のSNSや返信が気になって、ほかのことが手につかない | 相手中心の毎日から、自分の時間を取りもどす |
| 復縁 | 強く惹かれて離れられない気持ち | 執着から離れて、気持ちが軽くなる |
| 付き合っている | 一緒にいるのが当たり前になり、言いたいことを我慢しがち | 依存しあう形から、対等な関係へ組みなおす |
復縁で正位置が出たときは、「相手が好き」なのか「失ったことが悔しい」のか、一度分けて考えてみることがヒントになります。
恋愛と仕事では、同じ悪魔でもここが違う
恋愛の悪魔は、相手への気持ちの強さそのものを表します。熱量が高いぶん、自分の生活や気持ちのペースが相手に引っぱられていないかを見ると読みやすくなります。
仕事の悪魔は、のめり込み、長時間の作業、やめどきの分からない習慣として出やすいカードです。仕事では、「成果が出ているから続ける」のか「やめ方が分からないから続ける」のかを分けて見ることがポイントになります。
相手の気持ちの位置に悪魔が出たとき
ひとことで言うと、「強く意識している」と読めるカードです。
| 読み方の目安 | |
|---|---|
| 正位置 | 強く惹かれている、離れられない。頭では迷っても、気持ちが向いてしまう |
| 逆位置 | 執着から離れようとしている。自分のペースを取りもどしたいと感じている |
正位置は、あなたの存在が彼の中で大きい状態として読まれます。ただ、それが心地よい好意なのか、手放したくないこだわりなのかは、ふだんの態度とあわせて見る必要があります。逆位置は、気持ちの整理をしている段階です。
レンのひとこと:男目線で言うと、悪魔の正位置が出た彼は、あなたのことを気にしないではいられない状態だと読めます。大切にされているかどうかは、言葉より日々のふるまいで見てください。
未来・アドバイス・最終結果の位置に悪魔が出たとき
ひとことで言うと、「結びつきの形を選びなおす時期」の目安です。
| 位置 | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 未来 | 離れにくい関係や習慣が、しばらく続きやすい | こだわりがゆるみ、心が軽くなりやすい |
| アドバイス | 「やめられないこと」をひとつ書き出して、距離のとり方を考える | 手放したあとの軽さを大事に、新しい習慣を小さく始める |
| 最終結果 | 離れがたい、強い結びつきが続きやすい | 執着から離れて、気持ちが軽くなりやすい |
最終結果の位置の考え方はこちらの記事へ。
悪魔が出たら、自分に聞いてみたい3つのこと
- それをやめたら、何がいちばん不安?
- その人(そのこと)といるとき、自分の心は広がっている? せまくなっている?
- 明日から1つだけ距離を変えるなら、何から始められる?
イエスノー占いと人物像
ひとことで言うと、正位置は「NO寄り・見直し」、人物なら「惹きつける力の強い人」です。
イエスノー占いで出たとき
正位置の悪魔はNO寄り・見直し。「このまま続けていい?」という質問なら、続けたい理由が本心か習慣かを確かめて、という答え方になります。逆位置は、手放すことや距離を置くことについての質問なら、前向きな目安になります。
人物像として出たとき
- 正位置:惹きつける力が強く、一度関わると離れにくい人。こだわりが強い人
- 逆位置:古い習慣やこだわりを手放そうとしている人。自分を変えようとしている人

よくある質問
「悪魔のカード」が出ると、よくないことが起きる?
そうとは読みません。悪魔は、外から何かが起きることより、自分の中の「こだわり」や「やめられないこと」を映すカードです。気づけた時点で、もう一歩外に出ていると受けとめられます。
悪魔のカードの逆位置は、良い意味?
「解放・目が覚める」と読まれ、前向きに受けとめるのが一般的です。ただ、手放した直後はさみしさも出やすいので、空いた時間に新しい楽しみを入れることがすすめられます。
彼の気持ちに悪魔の正位置。好かれているの?
強く意識されていることは読みとれます。ただ、執着と好意は同じではありません。一緒にいてあなたが安心できているかを、いちばんの目安にしてください。
情報源
- L. W. De Laurence『The Illustrated Key to the Tarot: The Veil of Divination』(1918年。ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説をそのまま収めた版。Project Gutenberg 収録、第2部 Section 2「The Trumps Major and their Inner Symbolism」、第3部 Section 3「The Greater Arcana and their Divinatory Meanings」)https://www.gutenberg.org/ebooks/43548(2026年9月30日に閲覧)
※この記事のカードの意味は、上の資料に載っている伝統的な意味と、現在タロットで一般に使われている解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
