タロットの小アルカナには、4つのスートがあります。その中で、恋愛を「これからどう形にしていくか」という目線で見せてくれるのが「ペンタクルのスート」です。テーマは「現実・お金・安定」。別の呼び方は「金貨・コイン」です。
ペンタクルは、目に見える暮らしの土台を、星のしるしが刻まれた金貨にたとえたスートとして読まれます。恋愛で出たら、将来の話や生活のこと、関係を現実の形にしていけるかどうかを表すカードとして受けとめられるスートです。
この記事では、ペンタクルのスート14枚の意味を早見表にまとめ、数字の流れでの覚え方、コートカード4枚の違い、恋愛で出たときの読み方、ペンタクルばかり出るときの受けとめ方まで紹介します。ここに書いた意味は、タロットで一般に知られている解釈をもとにしています。カードは未来を決めるものではなく、今の気持ちを整理するためのヒントとして受けとめてください。

ペンタクルのスートとは
ひとことで言うと、「目に見える形で、何を積み上げているか」を表すスートです。
| 項目 | ペンタクルのスート |
|---|---|
| 別の呼び方 | 金貨・コイン |
| テーマ | 現実・お金・安定 |
| 恋愛で読むと | 将来の話、生活、結婚など現実的な関係 |
| 枚数 | 14枚(エース〜10の数札10枚+コートカード4枚) |
ペンタクルは、星のしるしが刻まれた円い札です。気持ちや考えのように形のないものではなく、仕事や暮らし、住まいのように、時間をかけて育っていくものを表すスートとして読まれます。
ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説を収めた本では、ペンタクルのキングの説明の中で、このスートのしるしには星形が刻まれていて、「人の中にある四つの元素の対応」を表すと書かれています。また、古いタロットではこのスートがお金を表していたものの、カードはとくにお金の問題を扱うものではない、とも説明されています。
当サイトでも、ペンタクルを「お金が増える・減る」を当てるカードとしては読みません。お金のことは、カードではなくご自身の状況で決めてください。
元素・トランプとの対応
ペンタクルは一般に「土」の元素と結びつけられますが、流派によって対応がちがいます。
同じ本では、ペンタクルは「ドゥニエ(Deniers)」や「マネー(Money)」とも呼ばれ、トランプのスペードのもとになったと説明されています。ただし、スートとトランプのマークの対応は資料によって説明が異なります。
小アルカナ56枚の全体像は、小アルカナ56枚の意味一覧にまとめています。
ペンタクルのスート14枚の早見表(正位置・逆位置・恋愛)
ひとことで言うと、エースで実りの種を受けとり、10で家族や暮らしの土台が形になる14枚です。
| カード | 正位置 | 逆位置 | 恋愛(正位置) |
|---|---|---|---|
| ペンタクルのエース | 実り・チャンス | チャンスを逃す・欲ばり | 関係を形にしていくきっかけ、信頼の芽 |
| ペンタクルの2 | やりくり・柔軟さ | 手が回らない・不安定 | 忙しい中でも、時間をやりくりして会おうとする |
| ペンタクルの3 | 協力・技術 | 協力不足・評価されない | ふたりで協力して、関係を育てていく |
| ペンタクルの4 | 所有・安定 | 執着・ケチ | 落ち着いた関係。相手を手放したくない気持ちも |
| ペンタクルの5 | 困窮・孤立 | 回復の兆し・助けが来る | さみしさを感じやすい時期。ひとりで抱えこまない |
| ペンタクルの6 | 与える・援助 | 不公平・一方的 | 支え合う関係、思いやりを行動で示す |
| ペンタクルの7 | 成長を待つ・見直し | 努力が実らない感覚・不満 | 関係がゆっくり育つのを待つ |
| ペンタクルの8 | 努力・コツコツ | 手抜き・マンネリ | 小さな積み重ねで、信頼が深まる |
| ペンタクルの9 | 豊かさ・自立 | 見せかけ・依存 | 自分を大切にできる、自立した恋 |
| ペンタクルの10 | 繁栄・家族・安定 | 家族の問題・停滞 | 家族や暮らしの土台が安定する |
| ペンタクルのペイジ | まじめ・学び | 怠け・現実逃避 | まじめに向き合い、ゆっくり近づく |
| ペンタクルのナイト | 誠実・着実 | 停滞・頑固 | ゆっくりでも、着実に関係を進める |
| ペンタクルのクイーン | 堅実・面倒見 | 心配しすぎ・損得勘定 | 暮らしごと支えてくれる、面倒見のいい愛情 |
| ペンタクルのキング | 成功・安定・頼りがい | 頑固・お金への執着 | 頼りがいがあり、安心できる相手 |
逆位置は、正位置の安定が「足りない」「行きすぎている」「内側にこもっている」状態として読むのが一般的です。ペンタクルの5のように、逆位置のほうが前向きに読まれるカードもあります。
数札(エース〜10)の流れで覚えるペンタクルの読み方
ひとことで言うと、「数字の段階」に「現実の積み上げ」をかけ合わせると読めるようになります。
| 数字 | 意味の目安 | ペンタクルで読むと |
|---|---|---|
| エース(1) | 始まり・そのスートの力の種 | 形になるものの種を受けとる |
| 2 | ふたり・選択・バランス | 限られた時間や力をやりくりする |
| 3 | 広がり・発展 | 人と協力して形にしていく |
| 4 | 安定・ひと休み | 手にしたものを守り、しっかり抱える |
| 5 | 変化・ぶつかり合い・試練 | 足りないものに目が向き、心細くなる |
| 6 | 調和・回復 | 持っているものを分け合い、支え合う |
| 7 | 見直し・迷い・工夫 | 育ちぐあいを見直し、実りを待つ |
| 8 | 動き・変化の加速 | 手を動かして、コツコツ積み上げる |
| 9 | ほぼ完成・ひとつの到達点 | 自分の力で整えた豊かさ |
| 10 | 完成・区切り・次の段階へ | 暮らしや家族の土台が形になる |
エースから3までは、実りの種を受けとり、やりくりしながら、人と力を合わせて形にしていく流れ。4から7は、守る・足りなさを感じる・分け合う・育つのを待つ時期です。8から10で、もう一度積み上げ、暮らしの土台が形になります。
古い解説書では、ペンタクルのエースは「申し分のない満足・幸福」と説明されています。ペンタクルの8は「仕事・手仕事の腕」を表し、まだ準備の段階かもしれない、と書かれています。ペンタクルの10は「家族のこと」「一家の住まい」と結びつけられています。エースと10を「始まり」と「たどり着く場所」として覚えておくと、あいだの8枚が並べやすくなります。

ペンタクルのコートカード4枚(ペイジ・ナイト・クイーン・キング)の違い
ひとことで言うと、4枚とも「現実を積み上げる」カードで、積み上げ方が少しずつちがいます。
| カード | 位の意味 | 恋愛で読むと | ペンタクルでの正位置 |
|---|---|---|---|
| ペイジ | 見習い・知らせ・素直さ | うれしい知らせ、まだ若い気持ち | まじめ・学び |
| ナイト | 行動・前進・向かっていく | アプローチ、関係を動かす人 | 誠実・着実 |
| クイーン | 受けとめる・育てる・内面の成熟 | やさしく包みこむ、気持ちを受けとめる | 堅実・面倒見 |
| キング | まとめる・責任・外への力 | 頼れる相手、関係をリードする | 成功・安定・頼りがい |
ペイジは、学ぼうとするまじめさ。ナイトは、一歩ずつ進む誠実さ。クイーンは、暮らしを整えて人を支える面倒見のよさ。キングは、積み上げたものをまとめる頼りがいです。コートカードは、相手の人柄や、あなた自身の姿勢として読まれます。1枚ずつの意味は、次の記事でくわしく紹介しています。
恋愛でペンタクルが出たとき(片思い・復縁・付き合っている)
ひとことで言うと、「気持ちを、現実の形にしていけるか」を教えてくれるスートです。
| 悩み | 正位置が多いとき | 逆位置が多いとき |
|---|---|---|
| 片思い | 時間をかけて信頼が育つ流れ。会う回数を重ねてみる | 近づくきっかけが作りにくい。自分の生活を整えることから |
| 復縁 | 落ち着いて話せる関係を、一から積み直せる流れ | 前と同じやり方にこだわりやすい。変えられることを考える |
| 付き合っている | 将来や生活の話ができる、安定した関係 | 生活のペースのずれや、マンネリが出やすい |
片思いでペンタクルのペイジや8が出たら、あせらずに少しずつ距離を縮めていく流れとして読まれます。復縁でペンタクルの7が出たら、関係がもう一度育つのを待つ時期。付き合っている相手とのことでペンタクルの10が出たら、家族や暮らしの土台が安定していく流れを表すと読まれます。
反対に、ペンタクルの4の逆位置や5は、手放したくない気持ちが強すぎる、さみしさを感じやすいといった読み方をします。悪いことが起きるという意味ではなく、「今の自分の足もとを確かめて」というヒントとして受けとめてみてください。
レンのひとこと:男目線で言うと、彼の気持ちの位置にペンタクルが出たら、口数は少なくても、あなたとのこれからを現実的に考えている、と読めます。言葉より、会う約束をきちんと守ってくれるかどうかを見てみて。
相手の気持ちの読み方はタロットで相手の気持ちを占う方法、復縁は復縁を占うときのカードの意味でもまとめています。
「ペンタクルばかり出る」ときの読み方
ひとことで言うと、「今は現実の暮らしや、積み上げのことが大きなテーマ」という目安です。
3枚引きで2枚以上がペンタクルになる確率は約8%、3枚ともペンタクルになるのは約0.5%です(78枚から3枚を引く場合の計算)。めずらしいですが、起こりえないことではありません。
ペンタクルばかり出るときは、気持ちの動きよりも、仕事や生活のリズムといった「足もとのこと」が今の中心にある、と読むのが一般的です。正位置が多ければ積み上げが実っていく流れ、逆位置が多ければ、無理をしていないかを見直すサインとして受けとめてみてください。
同じカードやスートが何度も出る理由は、同じカードが何度も出るのはなぜ?でくわしく紹介しています。
ほかのスートとの違い
ひとことで言うと、ペンタクルは「現実」、ほかの3つは「行動」「気持ち」「考え」です。
| スート | 別の呼び方 | テーマ | 恋愛で読むと |
|---|---|---|---|
| ワンド | 棒・杖 | 情熱・行動・やる気 | アプローチ、勢い、行動に出る気持ち |
| カップ | 聖杯 | 感情・愛情・心のつながり | 好意、ときめき、気持ちの通じ合い |
| ソード | 剣 | 思考・言葉・決断 | 考えごと、言えない本音、すれ違い |
| ペンタクル | 金貨・コイン | 現実・お金・安定 | 将来の話、生活、結婚など現実的な関係 |
同じ恋愛の占いでも、ペンタクルは「形にするかどうか」、ワンドは「動くかどうか」、カップは「好きかどうか」、ソードは「どう考えているか」を表すと読むと分かりやすくなります。ペンタクルとカップが一緒に出たら、気持ちを現実の形にしていく流れ、という読み方もできます。

よくある質問
ペンタクルは良いスート?悪いスート?
良い・悪いで分けるスートではありません。正位置が落ち着いた意味で読まれるカードが多いスート(エース・3・6・8・9・10とコートカード4枚)ですが、ペンタクルの5のようにさみしさや心細さを表すカードもあります。どのカードも、今の暮らしや積み上げ方を見直すヒントとして受けとめてください。
ペンタクルと金貨・コインはちがうもの?
同じスートです。デッキや本によって「ペンタクル」「金貨」「コイン」と呼び方が変わりますが、意味は同じです。英語では Pentacles と書かれます。
恋愛でうれしいペンタクルのカードは?
一般に、ペンタクルのエース(実り・チャンス)、8(努力・コツコツ)、9(豊かさ・自立)、10(繁栄・家族・安定)は、恋愛で前向きに読まれやすいカードです。ただし、どのカードも未来を決めるものではなく、今の流れの目安です。
ペンタクルのエースが恋愛で出たら?
正位置は「実り・チャンス」。気持ちを形にしていくきっかけや、信頼が芽生える流れとして読まれます。逆位置は「チャンスを逃す・欲ばり」で、目の前のきっかけを見過ごしていないか、相手に多くを求めすぎていないか、見直すきっかけになります。
情報源
- L. W. De Laurence『The Illustrated Key to the Tarot: The Veil of Divination』(1918年。ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説をそのまま収めた版。Project Gutenberg 収録、第1部 Section 3「The Four Suits, Otherwise Lesser Arcana」、第3部 Section 2「The Lesser Arcana」)https://www.gutenberg.org/ebooks/43548(2026年9月30日に閲覧)
※この記事のカードの意味は、上の資料に載っている伝統的な意味と、現在タロットで一般に使われている解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
