言い合いのあと、ひとりだけが場に残り、ほかのふたりは背を向けて去っていく。「ソードの5」は、勝ったはずなのに、どこか気持ちが晴れない場面を描いたカードです。
正位置のキーワードは「争い・勝ち負け」、逆位置は「後味の悪さ・和解」。名前だけ聞くと身がまえてしまいますが、けんかや別れを予告するカードではありません。「勝つことにこだわりすぎていないか」を、ぶつかる前後に見直させてくれるカードとして読まれます。

ソードの5の基本の意味
ひとことで言うと、「言い負かしても、心の距離は縮まらない」と気づかせるカードです。
| 正位置 | 逆位置 | |
|---|---|---|
| 基本のキーワード | 争い・勝ち負け | 後味の悪さ・和解 |
| スートのテーマ(ソード) | 思考・言葉・決断 | |
| 数字の意味(5) | 変化・ぶつかり合い・試練 | |
| 恋愛 | 意地の張り合い。勝ち負けより歩み寄りを | 言い合いのあとのもやもやが残るが、仲直りのきっかけも見えてくる |
| 相手の気持ち | 自分の考えをゆずれず、意地になっている | 言いすぎたと感じていて、関係を元に戻したい |
| 最終結果 | 主張がぶつかり合い、どちらもゆずりにくい状態が続きやすい | わだかまりが少しずつほどけ、歩み寄りの形に落ち着きやすい |
ソードの5は、言い争いがこの先も続くと決めるカードではありません。勝ち負けにこだわった気持ちに気づき、関係の立て直し方を考えるきっかけとして読むのが一般的です。
5は、4の静けさが破られる数字
Waite の解説のとおり、数札は数字とスートを重ねて読みます。5の意味は「変化・ぶつかり合い・試練」、ソードは「思考・言葉・決断」。つまり考えと考えが、言葉となってぶつかるのがソードの5です。
前のソードの4では、剣を置いて静かに休んでいました。5でその静けさが破れ、意見のちがいが表に出ます。そして次のソードの6では、舟に乗って落ち着いた場所へ移っていきます。5は、ぶつかり合いの真ん中というより、ぶつかったあとに「さて、どうする?」と問われる地点。その答えしだいで、6の穏やかな移動につながると読めます。
絵柄の象徴を読み解く
原文では、見下すような表情の男が、うなだれて去っていくふたりを見送っていると書かれています。ふたりの剣は地面に置かれ、男は2本を左肩にかつぎ、もう1本を切っ先を地面に向けて右手に持つ。「その場の主」だとも説明されています。
- 剣を集めた男:議論に勝った側。けれど、いっしょに喜ぶ相手はもういない、という孤独も読みとれます
- 背を向けて去るふたり:言い負かされた側。一般に、話し合いをあきらめて心を閉ざす様子として読まれます
- 地面に置かれた剣:戦う意思を手放した姿。見方を変えれば、争いをやめるきっかけがそこにある、とも読めます
古い解説書での意味
「占いでの意味」は、正位置・逆位置とも、今の感覚からするとかなり厳しい言葉で書かれています。そのため、このサイトではそれらを並べず、現在一般に使われている「争い・勝ち負け」「後味の悪さ・和解」を中心にしています。絵柄の説明にある「その場の主」という言葉のとおり、勝ち残ることと、心が満たされることは別だ、というのがこのカードの芯です。
ソードのほかのカードの意味はソードのスートの記事から見られます。
正位置の意味:争い・勝ち負け
ひとことで言うと、「勝つことより、失いたくないものは何か」を問うサインです。
- 恋愛:意地の張り合い。勝ち負けより歩み寄りを。どちらが悪いかの話になりやすい
- 仕事:意見の対立や、手柄の取り合い。正しさを通すほど、まわりが離れやすい
- 人間関係:売り言葉に買い言葉。言いすぎたあとの気まずさ
恋愛と仕事で読み分ける
恋愛の正位置は、「謝ったら負け」という気持ちがふたりのあいだに立ちはだかっている状態です。仕事で出たときは、議論そのものは必要でも、勝ち方が雑になっていないかを見るカードとして読まれます。恋愛では「相手の気持ちを置き去りにしていないか」、仕事では「相手のメンツを残しているか」。どちらも、勝ったあとの関係まで考えることがポイントです。
逆位置の意味:後味の悪さ・和解
ひとことで言うと、「言い合いのあとで、やっと本音に目が向く」サインです。
- 恋愛:言い合いのあとのもやもやが残るが、仲直りのきっかけも見えてくる
- 仕事:対立のあとに気まずさが残る。落ち着いて話し直す場が持てる
- 人間関係:「あれは言いすぎた」と、どちらかが気づく
逆位置のキーワードは、後味の悪さと和解が並んでいます。この2つは反対の意味ではなく、順番につながっていると読むと分かりやすくなります。もやもやするのは、相手との関係を大事に思っているから。その気持ちに気づいたとき、和解への一歩が出やすくなります。地面に置かれた剣を拾いに戻る、そんな場面を思い浮かべてみてください。

恋愛でソードの5が出たとき(片思い・復縁・付き合っている)
ひとことで言うと、「意地を下ろすと、関係が動き出す」カードです。
| 悩み | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 片思い | ライバルや駆け引きに気をとられやすい。勝ち負けから離れる | 張りつめていた気持ちがゆるみ、自然体で接しやすくなる |
| 復縁 | どちらが悪かったかの話になりやすい。責め合いから離れる | 別れ際の気まずさをふり返り、あやまる言葉が見つかりやすい |
| 付き合っている | 口げんかが増えやすい。言い負かすより、気持ちを伝える | けんかのあとの仲直りが近い。自分から声をかけてみる |
復縁でソードの5が出たら、「別れの原因をどちらが作ったか」に気持ちが向いていないかを確かめてみてください。正しさを証明しても、相手の心は戻ってきにくいもの。逆位置なら、別れ際の言葉を悔やむ気持ちがあり、それを素直に伝えることで話し合いの糸口が見えやすいと読まれます。
片思いで正位置が出たときは、ライバルの存在や、相手の反応の「勝ち負け」に気持ちが引っぱられていないかを見てみてください。誰かに負けたくない気持ちが強いと、相手本人を見る時間が減ってしまいます。逆位置なら、張り合う気持ちがゆるみ、肩の力を抜いて話せるようになる流れとして読まれます。
付き合っている相手との口げんかで正位置が出たときは、「いちばん伝えたかったこと」を1つだけ思い出してみるのがおすすめです。多くの場合、それは勝ち負けではなく「分かってほしかった」という気持ちです。
相手の気持ちの位置にソードの5が出たとき
ひとことで言うと、「意地とゆずれなさを抱えている」気持ちとして読めるカードです。
| 読み方の目安 | |
|---|---|
| 正位置 | 自分の考えをゆずれず、意地になっている |
| 逆位置 | 言いすぎたと感じていて、関係を元に戻したい |
正位置の相手は、あなたを嫌いになったわけではなく、引っこみがつかなくなっている状態と受けとめられます。ここで正論を重ねると、相手はますます剣を握りしめてしまいます。逆位置なら、相手も内心では後悔していて、きっかけを探している途中。あなたの側から、責める言葉をひとつ減らすだけで、空気が変わりやすいと読まれます。
レンのひとこと:男目線で言うと、ソードの5の彼は「謝り方が分からない」だけのことも多い、と読めます。「もう怒ってないよ」のひと言が、彼には何よりの助け舟になるはず。
気持ちの位置のほかのカードは相手の気持ちを読むタロットの基本で紹介しています。
未来・アドバイス・最終結果の位置にソードの5が出たとき
ひとことで言うと、「勝ち負けから降りたところに、落としどころが見える流れ」の目安です。
| 位置 | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 未来 | 考えのちがいがはっきりして、話し合いが必要になりやすい | ぶつかったあとの気まずさが薄れ、仲直りの場が持てやすい |
| アドバイス | 正しさを競うのをやめ、相手の言い分を最後まで聞く | 気まずさをそのままにせず、自分から歩み寄る |
| 最終結果 | 主張がぶつかり合い、どちらもゆずりにくい状態が続きやすい | わだかまりが少しずつほどけ、歩み寄りの形に落ち着きやすい |
最終結果の位置の意味の受けとり方はタロットの「最終結果」の読み方をどうぞ。
ソードの5が出たら、自分に聞いてみたい3つのこと
- この言い合いで、本当に守りたかったものは何?
- 勝ったとして、そのあと隣にいてほしいのは誰?
- 相手の言い分のなかに、ひとつでも「たしかに」と思える点はある?

よくある質問
ソードの5が出たら、別れやけんかが起きる?
起きると決まるわけではありません。ソードの5は、勝ち負けにこだわる気持ちや、意地の張り合いがあることを知らせるカードです。気づいた時点で言い方を変えれば、ぶつかり合いを小さくおさめることもできる、と受けとめてください。
ソードの5とワンドの5、どちらも「争い」?
ワンドの5は「競争・ぶつかり合い」で、みんなが元気よく棒をふり合う、にぎやかな競い合いです。勝ち負けがついても、あまり尾を引きません。ソードの5は、言葉や考えのぶつかり合いで、勝敗がついたあとに後味が残るのが特徴。体を動かす競争がワンド、言葉の言い合いがソードと読み分けられます。
ソードの5とソードの7の違いは?
ソードの7は「策略・ずるさ」で、正面からぶつからずに、こっそり自分の得を取る姿です。ソードの5は、正面から言い合った結果、勝ち負けがはっきりした場面。表立って争うのが5、陰で立ち回るのが7と覚えると区別しやすくなります。
仕事でソードの5が出たら?
会議や交渉での意見の対立を表すと読まれます。正位置なら、自分の案を通すことより、相手が納得できる落としどころを探すこと。逆位置なら、対立のあとに話し直す機会を作ることが、このカードに合った動き方です。
情報源
- L. W. De Laurence『The Illustrated Key to the Tarot: The Veil of Divination』(1918年。ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説をそのまま収めた版。Project Gutenberg 収録、第1部 Section 3「The Four Suits, Otherwise Lesser Arcana」、第3部 Section 2「The Lesser Arcana」)https://www.gutenberg.org/ebooks/43548(2026年9月30日に閲覧)
※この記事のカードの意味は、上の資料に載っている伝統的な意味と、現在タロットで一般に使われている解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
