静かな水面を、渡し守の漕ぐ小舟がゆっくりと向こう岸へ進んでいく。「ソードの6」は、荒れた場所を離れて、落ち着ける場所へ移っていく途中を描いたカードです。
正位置のキーワードは「移動・好転」、逆位置は「停滞・戻りたくなる」。恋愛では、ぎくしゃくしていた関係が穏やかな方向へ向かうときや、気持ちを切り替えて次へ進むときに読まれます。

ソードの6の基本の意味
ひとことで言うと、「つらかった場所から、ゆっくり離れていく」カードです。
| 正位置 | 逆位置 | |
|---|---|---|
| 基本のキーワード | 移動・好転 | 停滞・戻りたくなる |
| スートのテーマ(ソード) | 思考・言葉・決断 | |
| 数字の意味(6) | 調和・回復 | |
| 恋愛 | 関係が落ち着いた方向へ動く、気持ちの切り替え | 前に進みたいのに、過去の関係や思い出に気持ちが引き戻されやすい |
| 相手の気持ち | ぎくしゃくした空気を抜けて、穏やかな関係に移りたい | 変わりたい気持ちはあるが、慣れた場所から離れる決心がつかない |
| 最終結果 | 少しずつ状況がやわらぎ、落ち着いた関係に向かいやすい | 変化に時間がかかり、同じところを行ったり来たりしやすい |
6で、ソードの流れがひと息つく
Waite の解説によれば、数札は数字の意味をスートの性質に重ねて読むものです。6は「調和・回復」、ソードは「思考・言葉・決断」。ここから、考えすぎやぶつかり合いで荒れた心が、落ち着いた場所へ運ばれていくという読み方が生まれます。
ソードの5では、言い合いのあとの気まずさが残っていました。6は、その場所から舟で離れていく場面です。次のソードの7では、また自分なりのやり方を考え出します。6は、ソードの10枚のなかで、はっきり「好転」の方向を向いた、数少ないカードです。
絵柄の象徴を読み解く
原文には、渡し守が小舟に人を乗せて向こう岸へ運んでいく、と書かれています。さらに「進み方はなめらかで、荷は軽く、渡し守の力に余る仕事ではない」と添えられています。
- 渡し守:自分ひとりでがんばるのではなく、誰かや時間の力に運んでもらう姿。一般に、助けを受け入れることの象徴として読まれます
- 向こう岸:まだ着いていない、けれど見えている目的地。今よりも穏やかな場所の象徴です
- なめらかな水面:急な変化ではなく、ゆっくりした移動。荷が軽いという説明は、「背負いすぎなくていい」と読むこともできます
古い解説書での意味
「占いでの意味」には、水の上の旅・道すじ・進む道・使いの人・うまい手立てが挙げられています。逆位置はおもしろく、打ち明けること・告白・公になることで、「ある説では愛の申し込み」とまで書かれています。別の節にも「その旅は楽しいものになる」とあります。今の逆位置のキーワードとはちがう、隠していた気持ちが表に出る読み方も、古くからあったことが分かります。
ソードの流れ全体はソードのスートの意味と14枚の一覧で見られます。
正位置の意味:移動・好転
ひとことで言うと、「少しずつ、確実に楽になっていく」サインです。
- 恋愛:関係が落ち着いた方向へ動く、気持ちの切り替え。つらかった時期を抜けていく
- 仕事:異動や引っ越し、環境の変化が良い方向に働く。こじれた案件が落ち着く
- 人間関係:気まずい相手と距離をとり、居心地のいい人のそばへ移る
恋愛と仕事で読み分ける
恋愛で出た正位置は、場所の移動より「気持ちの移動」として読むのが自然です。けんかのあとの空気がやわらぐ、前の恋を思い出しても苦しくなくなる、といった変化です。仕事では、実際の移動を表すことが多く、部署やチーム、働く場所の変化として読まれます。恋愛は心の向こう岸へ、仕事は実際の新しい場所へ。どちらも、急がずに運ばれていく感覚がこのカードらしさです。
逆位置の意味:停滞・戻りたくなる
ひとことで言うと、「舟が岸を離れきれずにいる」サインです。
- 恋愛:前に進みたいのに、過去の関係や思い出に気持ちが引き戻されやすい
- 仕事:環境を変えたい気持ちと、慣れた場所の安心感で揺れる。計画が延びる
- 人間関係:離れたはずの人間関係に、つい連絡したくなる
逆位置は、舟が向こう岸に着かず、元の岸へ戻りたくなっている状態として読まれます。なつかしさや、慣れたものへの安心感は自然な気持ちです。戻るのが悪いのではなく、「本当に戻りたいのか、それとも変化がこわいだけなのか」を分けて考えることが、このカードの逆位置への向き合い方です。古い解説書の逆位置が「告白」だったように、しまっていた本音を口にすることで、止まった舟が動き出す場合もあります。

恋愛でソードの6が出たとき(片思い・復縁・付き合っている)
ひとことで言うと、「関係や気持ちが、穏やかな方へ運ばれていく」カードです。
| 悩み | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 片思い | 緊張がほぐれ、自然に話せる関係へ近づく | 前の恋や思いこみにとらわれやすい。今の相手を見る |
| 復縁 | 別れのつらさが落ち着き、穏やかに向き合える流れ | 戻りたい気持ちが強い。なつかしさと好きを分けて考える |
| 付き合っている | もめていた時期を抜け、落ち着いた関係に移る | 変わろうとしても、いつものパターンに戻りやすい |
片思いでソードの6が出たら、相手との距離が、ゆっくりと縮まる方向に動いていると読まれます。劇的な進展ではなく、会話が少しずつ自然になる、LINEの間が短くなる、といった小さな変化です。遠距離の相手や、引っ越しなど場所の移動がからむ恋で出ることもあるカードです。
復縁で正位置が出たときは、元の関係にそのまま戻るというより、別れのつらさが落ち着いた「向こう岸」で、もう一度穏やかに向き合える流れとして読まれます。逆位置なら、戻りたい気持ちの中に、さみしさやなつかしさがどれくらい混ざっているかを、いったん確かめてみる時期です。
付き合っている相手との間に正位置が出たときは、しばらく続いたもめごとが落ち着いていく流れです。原文の「荷は軽く、渡し守の手に余らない」という説明のように、今のふたりなら乗りこえられる変化だと受けとめてみてください。
相手の気持ちの位置にソードの6が出たとき
ひとことで言うと、「今より穏やかな関係へ移りたい」気持ちとして読めるカードです。
| 読み方の目安 | |
|---|---|
| 正位置 | ぎくしゃくした空気を抜けて、穏やかな関係に移りたい |
| 逆位置 | 変わりたい気持ちはあるが、慣れた場所から離れる決心がつかない |
正位置の相手は、今の関係を大きく変えるより、気まずさやぎこちなさを少しずつ解いていきたいと感じている状態です。逆位置は、気持ちの切り替えにまだ時間がかかっている相手。過去の出来事や、前の関係の記憶が、気持ちの舟を岸に引き止めているのかもしれません。
レンのひとこと:男目線で言うと、ソードの6の彼は「もう少し楽な関係になりたい」と思っている、と読めます。重い話は少し置いて、いっしょにいて楽な時間を増やしてみて。
気持ちの位置でのほかのカードとの比べ方は相手の気持ちのカードの読み方に。
未来・アドバイス・最終結果の位置にソードの6が出たとき
ひとことで言うと、「時間をかけて、落ち着いた場所にたどり着く流れ」の目安です。
| 位置 | 正位置 | 逆位置 |
|---|---|---|
| 未来 | 状況がゆっくり好転し、気持ちも少しずつ軽くなりやすい | 変化が思うように進まず、足踏みを感じやすい |
| アドバイス | つらい場所にとどまらず、ひとりで背負わずに誰かの手を借りる | 戻りたい理由を書き出し、なつかしさと本音を分けて考える |
| 最終結果 | 少しずつ状況がやわらぎ、落ち着いた関係に向かいやすい | 変化に時間がかかり、同じところを行ったり来たりしやすい |
この位置のカードの考え方は最終結果の位置に出たカードの読み方にまとめています。
ソードの6が出たら、自分に聞いてみたい3つのこと
- 今、離れたほうが楽になる場所や考え方はある?
- ひとりで漕ごうとして、手を貸してくれる人を断っていない?
- たどり着きたい「向こう岸」は、どんな毎日?

よくある質問
ソードの6と、ほかのスートの6の違いは?
6は「調和・回復」の数字です。ワンドの6は「勝利・評価される」でがんばりが認められる回復、カップの6は「思い出・なつかしさ」で過去の気持ちに戻る回復、ペンタクルの6は「与える・援助」で分け合うことでの回復。ソードの6は、場所や気持ちを移すことで回復していくカードです。一覧で比べたいときは小アルカナの56枚の意味へ。
ソードの6とカップの8は、どちらも「離れる」カード?
どちらも今いる場所を離れる絵ですが、向きがちがいます。カップの8は「方向転換・離れる」で、満たされなくなった場所を自分の意思で後にする姿。ソードの6は、つらかった場所から、誰かに運ばれて穏やかな場所へ移る姿です。自分で歩いて去るのがカップの8、舟で運ばれていくのがソードの6と覚えると区別しやすくなります。
ソードの6と「戦車」の違いは?
戦車は「前進・勝利・勢い」で、自分の力で手綱をとって進むカードです。ソードの6の移動はもっと静かで、流れに身をまかせながら少しずつ進みます。勢いで道を切りひらくのが戦車、ゆっくり落ち着くところへ向かうのがソードの6です。
ソードの6は引っ越しや旅行を表す?
そう読まれることもあります。古い解説書でも「水の上の旅」や「その旅は楽しいものになる」と書かれています。ただ恋愛の占いでは、実際の移動より、気持ちが次の段階へ移っていくことを表すと読むのが一般的です。
情報源
- L. W. De Laurence『The Illustrated Key to the Tarot: The Veil of Divination』(1918年。ライダー版の解説書として知られる A. E. Waite の解説をそのまま収めた版。Project Gutenberg 収録、第1部 Section 3「The Four Suits, Otherwise Lesser Arcana」、第3部 Section 2「The Lesser Arcana」・Section 4「Some Additional Meanings of the Lesser Arcana」)https://www.gutenberg.org/ebooks/43548(2026年9月30日に閲覧)
※この記事のカードの意味は、上の資料に載っている伝統的な意味と、現在タロットで一般に使われている解釈をもとに、当サイト編集部がまとめたものです。
